こんにちは。
今週の担当は臼井ゼミナール9期生WEB兼広報担当の菊池魁です。
ブロガー気取って目にモザイクかけてみました。ネットリテラシー高めです。
今回は海外発の人気飲食店のマーケティングについて書きたい思います。
皆さんはギャレットポップコーン、食べたことありますか?(唐突)
たぶん名前くらいは知ってると思います。知らない人は知って下さいね。
ギャレットポップコーンショップスは2013年に日本1号店をオープンしたアメリカ発のポップコーン店です。
行列のできるポップコーン店としてテレビや雑誌でめちゃめちゃ取り上げられていましたよね。
それにしても待ち時間3時間って…
ディ●ニーランドかよ(笑)
こうした行列(人気)の裏にはちゃんと理由があるんです。
例えば、”限定発売”…悪魔の響きですよね。
ギャレットポップコーンではコンプリートアソート(ポップコーン全種類のパッケージ商品)という商品を取り扱っているのですが、これ1日10缶限定販売なんですって。
「人気商品ならもっと作れば売れるのに」って当時の僕は思ってました。
まさかこれが…
マーケティングだったなんて…(驚愕)
折角なら全種類食べてみたいと思うのが人の性、そこに数量限定という希少価値が付与されてしまったらどうなってしまうのか。
そうなんです。開店前から並んでしまうんです。
そうなってしまえばギャレットポップコーンの思惑通りなんです。
行列があれば並びたくなってしまう傾向が強い日本人の国民性、行列が行列を作り出す構図の完成です。
なんで並んだのかって?
「そこに列があるから。」
また、このことを店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんはこう言っています。
「ビッグバンにより宇宙が誕生し、粒子にヒッグス粒子が結合することで質量が誕生し、原子核、原子が生まれていきました。同様に、ミニサイズのポップコーンを全種類取り揃えることでコンプリートアソートが誕生し、数量限定にすることで希少価値が誕生し、希少価値により行列が誕生し、行列と行列が結合して1時間30分待ちとなったのです。」
コンプリートアソート≒ビッグバン
…。
また、価格設定も実に巧みです。
ギャレットポップコーンの商品は他店の商品に比べて高価です。
ポップコーンに¥8,250円って(笑)
メニューを比べてみるとSサイズとか安く見えますよね。
けど、普通に考えたら決して安い値段じゃないんです。プレーンのポップコーンが60gで¥310するんですから…
こうした手法をマーケティング用語で”アンカリング”と言います。
ギャレットポップコーンの場合は大きいサイズの値段が基準(アンカー)になり、小さいサイズの¥310~¥580を感じさせようというわけです。
こうした手法を取り入れることで一般的なポップコーンの価格との比較ではなく、同店の価格帯の中で比較をさせているんです。
汚い!(褒め言葉)
ギャレットポップコーンの人気はこうした巧みなマーケティング戦略によって生み出されているのです。
昨今のサードウェーブコーヒー人気の波に乗るブルーボトルコーヒーもマーケティングに優れた飲食店のひとつです。
ブルーボトルコーヒーは今回が日本初進出ではなく2009年にも一度していて、撤退を経験しています。そうした過去を踏まえて、彼らは3つの点を改善しました。
1つ目がデザイン。
ブルーボトルコーヒーといったらあのシンプルなボトルのシルエットと洗練された店舗デザイン。
どこか世界的に大成功を収めているAppleを彷彿させるような雰囲気があります。
(巷では“コーヒー界のアップル”なんて呼ばれているらしい。)
今ではそうした優れたデザインのイメージが定着していますが、2009年の上陸時のメニューはこんな感じでした。
う〜ん…正直ダサい…
それが今ではこんな感じ。
圧倒的成長って感じだ。
また、店舗デザインにも力を入れていて、それぞれ店舗の場所に応じたデザインを採用し、共通のコンセプトを持たないという特徴を持っています。
一般的にブランドの認知を浸透させたいと考える場合には、商品や店舗のデザインを統一してアイデンティティを持たせるのが定石です。しかし、ブルーボトルコーヒーではあえてそれをせず、出店する地域の雰囲気や顧客層に合わせたローカライズ店舗にすることで、最も快適にコーヒーを楽しめる雰囲気を考えています。
ブランドが顧客をリードするのではなく、顧客体験を第一に考えるブルーボトルコーヒーらしい戦略です。
ちなみに日本の店舗の外観はそれぞれこんな感じです↓
青山店
備考:大通り沿いではなく、あえて路地裏で建物の2階という場所をチョイス。窓から見える木々の緑がポイントで、店舗の壁の色なども、すべてこの緑を引き立たせることを意識してグレーにした。
2つ目が立地。
前回の進出時は渋谷のデパ地下でしたが、今回は清澄白河に1号店をオープンしました。
「清澄白河?なんでそんなところに…」って普通の人なら思いますよね。僕も実は清澄白河って言葉自体が初耳でした。
1号店のオープンを人気の高い青山や代官山ではなく清澄白河に選んだ理由としては静かでアメリカの本社があるカリフォルニア州オークランドの環境に似ていたため、ブルーボトルコーヒーらしい空気感があったからと語られています。
ただ日本に進出するのではなく、“こだわりの一杯をこだわりの場所で”というサードウェーブコーヒーを地で行くブルーボトルコーヒーらしさがここに表れていると思います。
「こだわりを持った個性的なものが好き」「少しくらい高くても上質なものがいい」
というようなベクトルが飲食業界だけでなくビジネスの世界全般にも反映されているように感じます。
こうしたブルーボトルコーヒーの強いこだわりは人気の一要因になっているのではないでしょうか。
3つ目がソーシャルメディアの活用。
ブルーボトルコーヒーは開店に先駆けて様々なソーシャルメディアを用いて顧客との接点を作っており、ソーシャルメディア上での1対1のコミュニケーションを重視しています。
こうした努力は宣伝は勿論、顧客のロイヤリティ(お店に対する愛着)を高める一要因になってくれます。
また、商品の宣伝をするだけでなく、ショップの裏側、例えば研修の様子などをアップすることで顧客に親近感を与えることにも成功していると言えると思います。
(ちなみにこのことは前回の記事を担当したおのじゅんが教えてくれました♡)
そういう意味では我々臼井ゼミもソーシャルメディアの使い方に関してブルーボトルコーヒーに倣うべき部分は多いと思います。
フォロワーください。ブックマークしてください。
シェイクシャックやエッグスシングス、他にも数え切れないほどの飲食店が海外から日本に来て成功しています。
成功している店には必ず、理由があります。気になる方はぜひ調べてみてください、面白いです。
ブログを書くのは中学生二年生(黒歴史)以来で非常に寒い感じになってしまいましたが、とても楽しかったです(笑)
なんだかんだ長くなってしまいましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございます。
次週のU9-STYLEもお楽しみに!
P.S.
この記事を書くにあたってブルーボトルコーヒーの青山店に実地調査に行きました。
ブルーボトルコーヒーで読むU9-STYLE…